京都大学法科大学院 平成25年度

シラバス

民事弁護実務演習②【前期15】


科目名:民事弁護実務演習[Seminar on Lawyering (Civil)] 担当:豊田 幸宏 区分: 実務選択科目
配当年次: 3 開講期: 前期 曜時限: 火4 クラス数: 10 単位: 2
概要
この演習は、具体的な事例を題材にして、民事訴訟における弁護士の活動の基礎を習得することを目的とする。取り上げる事例および訴訟類型は、実務上日常的に生起する典型的なものとするが、演習においては実務上のノウハウを検討するとともに、できるだけ法律上の問題点についても触れることとし、それらを通じて民事紛争解決における弁護士の役割を指し示すようにしたい。なお、この演習は、「弁護士実務の基礎①②」程度の内容を理解していることを前提とするが、その既習を必須の前提とするものではない。
授業形式
演習形式と実習形式を併用する。
予め決められた報告者の報告に基づき、全員での討論を基本とする。
なお、人数制限を行う(1クラス15名程度)。
授業内容
1.民事訴訟の流れ
手続の節目における弁護士の役割について検討する。

2.貸金請求訴訟
事例を通じて金銭消費貸借(保証を含む)をめぐる紛争の解決方法及び問題点について検討する。

3.不動産明渡請求訴訟
建物明渡請求事件を通じて、不動産利用関係から生じる各種紛争の解決方法及び問題点について検討する。

4.不動産登記抹消請求訴訟
不動産の登記抹消請求事件を通じて、不動産取引に伴う各種紛争の解決方法及び問題点について検討する。

5.売掛金請求訴訟
事例を通じて売掛金請求をめぐる紛争の解決方法および問題点について検討する。

6.請負代金請求訴訟
事例を通じて建設請負契約をめぐる紛争の解決方法及び問題点について検討する。

7.不法行為訴訟
交通事故に基づく損害賠償請求事件を例にして、各種の不法行為訴訟のポイント・問題点を検討する。

8.消費者訴訟
製造物責任訴訟を例に消費者訴訟のポイントについて検討する。

9.リーガルメモの作成
会社法務相談案件を例にして、会社経営をめぐる紛争の解決方法及び問題点について検討する。

10.人事訴訟
離婚訴訟を例にして各種の人事訴訟のポイント・問題点について検討する。

11.相続関係訴訟
遺産分割に伴う審判・訴訟を例にして、相続関係をめぐる紛争の解決方法及び問題点について検討する。

12.仮差押え
不動産及び債権に対する仮差押命令申立事件を例にして、保全実務のポイントについて検討する。

13.民事執行事件
担保不動産競売申立事件を例にして、執行実務のポイントについて検討する。

14.合意文書作成の技術
和解条項の作成方法を基本にして、各種合意文書作成の基礎的技術について検討する。
成績評価方法等
平常点(課題の起案は5回以上提出すること)による「合・否」のみの評価。
なお、4回以上授業を欠席した場合には、単位を認めない。
リサーチペーパー

教材
資料等を事前又は授業の都度配布し、参考文献は適宜指示する。
資料は学内でのみの配布である。
到達目標
上記「授業内容」記載の各項目について理解・修得し、上記「概要」記載の成果を
得ることである。
その他
事前配付資料及び参考文献による入念な予習がされていることを前提とする。
時間どおりに授業を始めますので遅刻しないようにしてください。

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