京都大学法科大学院 平成25年度 |
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科目名:渉外契約演習[Workshop - Drafting Contracts] | 担当:藤本 一郎 | 区分: 選択科目II | ||
配当年次: 3 | 開講期: 後期 | 曜時限: 火1 | クラス数: 1 | 単位: 2 |
概要
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一般的な民商事契約書の作成に始まり、渉外契約特有の契約書も作成する。 受講生が作成した契約書案へのコメントを通じて、受講生が、渉外契約を含む契約書作成に関する能力を育成できるようにする。 |
授業形式
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演習形式。積極的に授業に関与し,十分な事前準備をすることが望まれる。 なお、人数制限を行う(30名程度)。 |
授業内容
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第1回 (1)契約書の性質、(2)契約書の用字用語法 「契約書」とは何か? なぜ契約書が必要なのか? 日本語で作成する場合には用字用語法をどのように考えるべきか?等を講義・議論する。 【次回までの課題】簡易な金銭消費貸借契約を作成する。 第2回 (1)契約書の作成形式、(2)締結行為の確認・立証 前回課題として作成した金銭消費貸借契約について、議論する。 契約書の「内容以外」の面においてはどのような注意が必要か?等を議論する。 【次回までの課題】委任状及び契約の変更に関する契約書を作成する。 第3回 一般条項-1(総論) 前回課題として作成した委任状について、議論する。 契約書に規定される一般条項について、講義し議論する。 【次回までの課題】完全合意条項及び修正手続条項を起案する。 第4回 一般条項-2(完全合意条項及び修正手続条項) 前回課題として作成した完全合意条項及び修正手続条項について議論する。 【次回までの課題】「覚書(サンプル)」にどのような一般条項を追加すべきかをコメントする。 第5回 一般条項-3 前回課題を踏まえ、一般条項の必要性について、議論する。 【次回までの課題】検討結果に基づき、「覚書(サンプル)」に若干の一般条項を追加する。 第6回 一般条項-4 前回課題を踏まえ、更に議論する。 【次回までの課題】秘密保持条項及び競業避止条項の雛形を起案する。 第7回 一般条項-5(秘密保持条項及び競業避止条項) 前回課題についての議論(秘密保持条項及び競業避止条項の「考え方」) 【次回までの課題】紛争解決条項を起案する。 第8回 一般条項-6(紛争解決条項) 前回課題についての議論(合意管轄、仲裁制度、仲裁規則及び仲裁条項) 【次回までの課題】和解契約書の記載条項(仲裁条項を含む)を検討する。 第9回 和解契約書-1 前回課題についての議論 【次回までの課題】和解契約書(仲裁条項を含む)を起案する。 第10回 和解契約書-2 前回課題について議論する。 【次回までの課題】独占販売契約書案を検討する。 第11回 契約書案の検討とコメントの作成(独占販売契約書1) 前回課題(独占販売契約書案の検討結果(内容面))について議論する。 更に、具体的に契約書案に対し、クライアントにコメントを作成する要領・考え方について形式面を中心に講義・議論する。 【次回までの課題】独占販売契約書案へのコメントを意見書形式で作成する。 第12回 契約書案の検討とコメントの作成(独占販売契約書2) 前回課題(独占販売契約書案についての意見書)について、議論する(形式面を中心として)。 【次回までの課題】合弁契約書案を検討する。 第13回 合弁契約書案の検討とコメントの作成(合弁契約1) 中国と日本との間の合弁会社を中国に設立することについての若干の知識についての講義をする。 【次回までの課題】合弁契約書案へのコメントを意見書形式で作成する。 第14回 合弁契約書案の検討とコメントの作成(合弁契約2) 前回課題について議論する。 まとめ。 |
成績評価方法等
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学期末の筆記試験(60%)及び平常点(40%)により評価する。 なお,平常点の評価方法に関しては,下記の「その他」欄の記載も参照。 |
リサーチペーパー
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無
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教材
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授業中に若干の資料を配布する。
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到達目標
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弁護士として必須である筈の契約書のレビュー(検討)、リバイズ(修正)について、修習する法律事務所によっては、司法修習中に余り機会を得ないようである。他方法律事務所は、弁護士として登録されれば、当然のように新人弁護士に契約書作成や修正をアサインする。 渉外契約を含む契約書案に対し、新人弁護士として恥ずかしくないレベルのレビュー結果の開陳(意見書の作成)や、契約書案の修正ができるようになることが、本講の目標である。 |
その他
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各回の授業日の後、各人単独で取り組む場合もあるが、原則として「2~3人で1チームを構成し、課題を処理 → 処理結果のメモをチームの代表者が作成の上、全員に送付 → 他のチームのメモを各人が検討(メモ等は作成不要)」という一連の作業を次の授業前日の朝までの間に行い、次の授業日においては、検討結果に基づき討論を行う。チーム構成は学期中に何回か変更する。 上記の一連の作業は必須であり、「メモの作成・送付がなされなかった」こと及び「授業日において、討論への参加が消極的であったこと」は平常点の減点事由となる。「作業の過程に参加しないことは学習の機会を失うことに他ならない」という考え方に基づき、チームの中に作業に参加せずに「フリーライド」した者がいたとしても、それを問題視はしない。同様の理由により、メモの内容及び授業日における発言内容は、原則として評価の対象としない。例外として、授業日における発言内容が突出して良い(悪い)場合には平常点評価の対象とすることがありうる。 第2回以降の授業日における欠席は、その回数が2回を超える場合には、理由の如何を問わず、平常点の減点対象となりうる。 配布資料には若干の英文・中文が含まれるが、提出するメモは全て日本語で作成する。学期末試験の内容には英語・中国語は一切含まれない。 |
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